《NYクラシック通信》
「ハリウッド・映画音楽を堪能する一夜」 Vol.16, 2011年10月25日
リンカーンセンター・エイヴェリーフィッシャーホールにて
NYフィルハーモニック(以下NYP)
指揮・ジョン・ウィリアムズ
ヴァイオリン:ギル・シャハム
プログラム
Whiting : “Hooray for Hollywood” from Hollywood Hotel
Korngold : March from The Adventures of Robin Hood
North : Forest Meeting / Love Theme and March, from Spartacus
J. Williams : Selections from Close Encounters of the Third Kind
J. Williams : “Adventures on Earth” from E.T. the Extra-Terrestrial
J. Williams (arr.) : Tribute to the Film Composer
Gardel : “Por una cabeza” (Tango from Scent of Woman)
Violin solo : Gil Shaham
J. Williams : Three Pieces from Schindler’s List
Violin Solo : Gil Shaham
Bock : Excerpts from Fiddler on the Roof
Violin Solo : Gil Shaham
J. Williams : Main Title from Star Wars
盛りだくさんの内容です。ジョン・ウィリアムズによるこのスペシャルコンサートはNYの聴衆にものすごい人気があり、開くたびに満員御礼でいつもの定期コンサートとは一味違った醍醐味が味わえます。
最近の流行りとして、後ろにスクリーンが登場し映画を見ながら演奏を堪能することが出来るのも人気の一つなのでしょうか。
ジョン・ウィリアムズの作品はもう数え切れないほどの有名な映画音楽で満載ですが、その中でも「7月4日に生まれて」と「プライベート・ライアン」は美しいトランペットソロがメインの曲です。劇中で演奏しているのはティモシー・モリソンという元ボストンシンフォニーの奏者です。
10年以上前の話ですが、浜松で夏に行われる講習会の講師として彼が来日した際レッスンを受け、この2曲を吹いてくれとリクエストしたことを思い出します。ちょっと変わった彼独特の奏法を持ったプレーヤーなのですが、良い音で人々を魅了してしまいます。
残念ながら、今回のプログラムにはそれらの曲は含まれていませんでしたが、スターウォーズやシンドラーのリストなど、馴染みのある曲ばかり、テンポよく進められていきました。
御歳79歳とは思えないほどエネルギッシュな指揮で、作曲編曲までこなしてしまうとは、すでにそれだけで感服してしまいます。
しかも作りだす作品一つ一つが名曲ですから、驚きです。
休憩の後に演奏された「Tribute to the Film Composer」というのはハリウッド映画の有名な部分だけを抜粋して、映画付きで堪能できる今回のコンサートで一番盛り上がった曲なのですが、思いつく限り抜粋してみると、「FOXのテーマソング」「スターウォーズ」「ジョーズ」「タイタニック」「ニューシネマパラダイスのテーマ」「ピンクパンサー」「ゴッドファザーのテーマ」「ロッキー」「E.T.のテーマ」「風と共に去りぬのテーマ」等々、ジョン・ウィリアムズの編曲で演奏されました。
今回はアンコールも多く、ギル・シャハムのヴァイオリン・ソロの後には「麗しのサブリナのテーマ」、プログラム最後の後には「ヨーダのテーマ」「インディ・ジョーンズのテーマ」「ダースベーダのテーマ」と3曲続けてのサービスつきで、聴衆が盛り上がったのは言うまでもありません。笑
ウィーンの聴衆にはヨハン・シュトラウスのワルツ、アメリカの聴衆にはスーザのマーチとハリウッド映画、と言ったところでしょうか。
ものすごい盛り上がりを見せたコンサートでした。
経済低迷が続くアメリカで、寄付金がカットされているのはNYPも例外ではありません。こういった聴衆に人気のあるコンサートを催すことで、芸術文化の分野の活性化につながったらいいと思います。
|